血糖値の増減がひと目で分かります。
荒尾市は情報通信技術・ICTを活用して糖尿病の予防を図ろうという新たな取り組みを始めました。
川部 伸幸さん、71歳です。
ことし初めて受けた国民健康保険加入者が受ける特定健診で『血糖値が高い』という結果が出ました。
【川部 伸幸さん】
「糖が上がってきていて、危ないところに来ていると…」
そこで川部さんは荒尾市が今年度から始めた情報通信技術・ICTを活用した糖尿病予防プログラムに参加することにしました。
【川部 伸幸さん】
「ピッといったでしょう?これで血糖値が測れる」
「朝ごはんを食べた時の数値で、落ちて今までやりながら、ここで昼ご飯を食べたんですね」
この糖尿病予防プログラムには40代から70代の男女8人が参加しています。
※国民健康保険加入者で特定健診を受け数値が高かった人が対象
対象者は腕に着けたセンサーで2週間にわたり、毎日、血糖値を測り、食事の写真とともに専用サイトに送り、体重や血圧、歩数などの情報も可能な限り記録します。
測定期間の途中で、担当の保健師が食事や運動などのアドバイスをしてくれます。
3カ月後にも再度、2週間測定して前回からどのような変化があったかを評価します。
この事業の大きな特徴は自分の血糖値が『リアルタイムで見える』ところです。
【川部 伸幸さん】
「間食をしなくなりましたね。上がるから、食べると」
「グラフが如実に出てきますから」
「やはりこうなるんだというのが分かったので、それを避けるようになった」
人口約5万人の荒尾市。糖尿病が重症化して人工透析を新たに受ける人の割合が熊本県内の自治体で10番目に多いといいます。
【荒尾市保険介護課(保健師)渡邊 愛桃さん】
「一定期間着けることで、口にしたものが今どのくらいの影響を与えているかということがリアルタイムで分かる。ほかの健診だと空腹時血糖しか分からないので」
食事を見直し、運動の大切さを知ることで、まずは生活の改善につなげ糖尿病予防を図る狙いです。
【荒尾市保険介護課(保健師)渡邊 愛桃さん】
「本人が生活改善をしていく中で、『自分の体の中でどうなっているんだ』と分かった方が『こうしなければいけないんだ』という自発的な改善につながると思う」
荒尾市では、今後もこういった事業を通して市民の健康意識が高まってほしいとしています。