京都大学などは皮膚にできた治りにくい傷の治療に有効な人工タンパク質の実用化を、来年度中に目指すと発表しました。
京大医学部附属病院と化学メーカー・三洋化成工業が、来年度中の実用化を目指すと発表したのはスポンジ型に加工した人工のタンパク質「シルクエラスチン」です。
■「治らない傷」に効果あり 薬事承認されれば日本初の『遺伝子組み換え技術』を使った医療機器に
皮膚を切除した際にできる、「難治性皮膚潰瘍(なんじせい・ひふ・かいよう)」は糖尿病などが原因で治りにくい、または治らない傷とされていますが、このタンパク質を傷口に貼り付けると皮膚の再生を促すということです。
これまでの治験で、患者25人の傷口に貼り付けたところ、およそ9割の患者で効果が得られたということです。
三洋化成はことし4月に薬事承認申請を行っていて、来年度中の販売を目指すとしています。
薬事承認されれば、日本初の『遺伝子組み換え技術』を使った医療機器となります。