米イーライ・リリーの肥満症治療薬、糖尿病リスクが94%低下-長期的な効果期待
Madison Muller
2024年8月21日 0:46 JST
ブルームバーグ
米イーライリリーが手掛ける注射タイプの肥満症治療薬「ゼップバウンド」を服用した患者は、糖尿病になるリスクが94%低いことが3年に及ぶ試験で分かった。肥満治療の長期的な健康効果が示された。
20日の発表文によれば、ゼップバウンドを対象とした継続的な試験ではこれまでで最長となる。今回の試験は肥満症および前糖尿病の患者1000人以上に対し、無作為にリリーの治療薬もしくはプラセボ(偽薬)を3年間投与した。
ゼップバウンドの服用量で最も多い週15ミリグラムを投与されていた患者は、176週間の試験中に体重が約23%減少し、同治療薬の効果が長期的に続くことが示された。
同社によれば、試験の詳細な結果は今後行われる医学関連の学会で発表する予定だ。
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米イーライリリーの減量薬、3年間の試験で糖尿病リスクを94%低減
By ロイター編集
2024年8月21日午前 1:35 GMT+91時間前更新
ロイター
米製薬大手イーライリリーは20日、過体重または肥満の糖尿病予備軍の成人1032人を対象に、減量薬の注射を週1回、3年間続けた結果、2型糖尿病の発症リスクをプラセボ(偽薬)と比較して94%低減したとの後期臨床試験結果を発表した。2020年9月撮影(2024年 ロイター/Mike Blake)
[20日 ロイター] – 米製薬大手イーライリリー(LLY.N), opens new tabは20日、過体重または肥満の糖尿病予備軍の成人1032人を対象に、減量薬の注射を週1回、3年間続けた結果、2型糖尿病の発症リスクをプラセボ(偽薬)と比較して94%低減したとの後期臨床試験結果を発表した。
今回のデータは最も長期にわたる臨床試験から得られたものであり、「チルゼパチド」(肥満症治療薬「ゼップバウンド」と糖尿病治療薬「マンジャロ」)の長期的な利点を裏付けるものだという。
最も高い用量のチルゼパチドの投与により、平均22.9%の体重減少が認められた。プラセボではわずか2.1%だった。
BMOキャピタル・マーケッツのアナリスト、エバン・セイガーマン氏は「メタボリックの領域でこうした数値は見かけない」とし、同業ノボノルディスク(NOVOb.CO), opens new tabの治療薬は別の後期臨床試験で3年後に73%の発症リスク低減を示したと言及した。
イーライリリーとノボノルディスクはいずれも、肥満治療薬の関連疾患への使用拡大を進めている。使用患者群と保険適用の拡大につながる可能性がある。イーライリリーの今回の結果は、患者が時間の経過とともに減量薬の使用を減らすという懸念が出ている中で発表された。