高齢者の糖尿病の食事療法は、一般的な糖尿病の食事療法と共通する部分が多いですが、高齢期特有の身体的・社会的な変化を考慮したきめ細やかな配慮が必要です。特に、低栄養、サルコペニア(筋肉減少症)、フレイル(虚弱)の予防が重要になります。
以下に、高齢者の糖尿病の食事法の主なポイントを挙げます。
1. 適正なエネルギー量の摂取と低栄養の予防
* 個別のエネルギー設定: 若年者と異なり、一律の減量目標を設けず、個々の身体活動量、体重、合併症の有無、ADL(日常生活動作)などを考慮して、医師や管理栄養士が個別にエネルギー摂取量を設定します。特に75歳以上の後期高齢者では、現体重を基に、フレイルやADL低下の有無、体組成などを考慮し、体重を減らさないように十分なエネルギー摂取を心がけることが重要です。
* 低栄養のリスクに注意: 食事制限が厳しすぎると、低栄養に陥りやすくなります。低栄養はサルコペニアやフレイルを進行させ、活動量の低下や転倒のリスクを高めます。意図しない体重減少がある場合は、栄養状態を評価し、原因精査が必要です。
2. たんぱく質の十分な摂取
* サルコペニア・フレイル予防: 高齢者は加齢とともに筋肉量が減少しやすいため、たんぱく質をしっかり摂ることが非常に重要です。サルコペニアやフレイルの予防のためには、毎食、肉、魚、卵、大豆製品などをバランス良く取り入れましょう。
* 摂取量の目安: 体重1kgあたり1.0g~1.2gを目安とすることが推奨されていますが、個々の状態によって異なります。例えば、体重60kgの人なら60g~72gが目安です。手のひらサイズを目安にすると分かりやすいです(肉や魚は片手のひら分で約20gのたんぱく質)。
3. 栄養バランスの取れた食事
* 主食・主菜・副菜のバランス: 炭水化物、たんぱく質、脂質のバランスを意識し、主食(ごはん、パン、麺類など)、主菜(肉、魚、卵、大豆製品など)、副菜(野菜、きのこ、海藻類など)を揃えるように心がけましょう。
* 炭水化物の摂り方: 炭水化物はエネルギー源として重要ですが、摂りすぎると血糖値が急上昇します。全体の50~60%を目安とし、過不足なく摂取することが大切です。血糖値の急上昇を抑えるために、食物繊維が豊富な全粒穀物や、野菜、きのこ、海藻類を積極的に取り入れ、主食よりも先に食べる「ベジタブルファースト」も有効です。
* 脂質の質に配慮: 飽和脂肪酸の多い肉の脂身や加工食品は控えめにし、不飽和脂肪酸を多く含む魚(特に青魚)や植物油を上手に活用しましょう。
* ビタミン・ミネラル: 野菜、果物、きのこ、海藻類を積極的に摂取し、ビタミン、ミネラル、食物繊維を十分に補給しましょう。
4. 食事のとり方の工夫
* 1日3食、規則正しく: まとめ食いやドカ食いは血糖値の急激な上昇を招くため、1日3食をできるだけ均等な時間に規則正しく摂りましょう。
* ゆっくりよく噛んで食べる: 血糖値の急上昇を抑える効果があり、消化吸収も助けられます。また、少量でも満腹感を得やすくなります。
* 薄味にする: 塩分摂取量を控えることは、高血圧や腎臓病の合併症予防にもつながります。出汁の旨味や香辛料、ハーブなどを活用して味に工夫を凝らしましょう。
* 調理法の工夫: 揚げる、炒めるよりも、蒸す、煮る、焼くなどの調理法を選ぶと脂質を抑えられます。
* 食品ロスをなくす: 旬の食材や特売品を上手に活用し、まとめ買いした場合は小分けにして冷凍保存するなど、食品ロスを減らす工夫も大切です。
5. その他の注意点
* 脱水予防: 高齢者は脱水になりやすいため、水分補給も重要です。水やお茶を中心にこまめに摂取しましょう。
* 誤嚥の予防: 飲み込む力が弱くなっている場合は、食材の形態や調理法を工夫し、誤嚥性肺炎の予防にも注意が必要です。
* 社会的なサポート: 独居の方や食事の準備が困難な場合は、配食サービスや家族のサポートなど、社会的な資源の活用も検討しましょう。
* 食品交換表の活用: 「糖尿病食事療法のための食品交換表」は、適正なエネルギーと栄養バランスを保つための具体的な目安として役立ちます。
高齢者の糖尿病の食事療法は、個々の状態に合わせて柔軟に対応することが最も重要です。必ず医師や管理栄養士に相談し、適切な食事計画を立ててもらうようにしましょう。
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