糖尿病と依存症 肥満型2型糖尿病や肥満の方は、依存症による食欲の暴走が日常的に起こっている状態です。しかし依存症ですから、ご本人は気が付いていません。無自覚に本能と潜在意識に操られています。人間の脳のシステムの一番底部には生存本能が存在し、その上に報酬系(快感中枢)と呼ばれる欲望・願望を実現するシステムが存在します。人間の生活はこの2つの基本的なシステムに90%以上支配されています。自律神経もこの2つのシステムに制御されています。
簡単に描けば、こんなイメージです。
本能の例
1見知らぬ人との間合いや距離は、一般的に「社会距離」と呼ばれる120cm以上をとります。偏桃体を切除すると、この距離感がなくなり身をまもれません。これも偏桃体に仕組まれている本能の防衛システムです。
2災害時に足がすくんで動けなくなる。これは恐怖の偏桃体と中脳水道の共同作業で、その場を動かず更なる攻撃を受けないようにしている本能行動です。攻撃側の人間に敵意がないことを示す行動です。
3車のドアに手を挟まれた人を見ると、自分もその腕が痛いような気がします。これは帯状回の働きです。他人との優劣の比較や恨みや妬みは本能よりも、すこし上位の反応になります。
4蜘蛛やサソリなどを見るとぞっとしますが、これも偏桃体に遺伝子により組み込まれた記憶と思われます。ただし現代の科学では、特定の記憶は遺伝子により組み込むことが出来ないとされています。しかし実際に記憶は埋め込まれています。
人間の性欲は視床下部に存在します。男性は女性の3倍の大きさがあります。ほぼ同じ部位に食欲中枢が存在します。特に女性は第二性欲中枢と満腹中枢が同じ位置にあります。失恋するとドカ食いするか、食欲がなくなってしまいます。
睡眠中枢も視床下部に存在します。
この本能の部分と、欲望の報酬系の側坐核(ドーパミン)と恐怖・感情の偏桃体(ノルアドレナリン)と記憶の海馬で、潜在意識の主要部分が構成されています。
これが俗に言われる潜在意識の正体です。私たちの生活はこの潜在意識が自動運転をしてくれています。
この潜在意識は7歳までに家庭で両親により形成・プログラミングされます。愛情・お金・思いやりなどです。おおまかな信念体系を形成します。
潜在意識は、変化を嫌います。潜在意識は生命の維持と欲望の達成を第一に行動しています。潜在意識は否定語を理解しません。ですから遅刻しないという言葉は意味を持ちません。遅刻しないと思えば思うほど遅刻するかもしれません。人前であがらなと思えば思うほどあがるかもしれません。遅刻しないではなく、時間を守ると考えて下さい。また潜在意識は主語がありません。他人を呪うと自分に降りかかってきます。潜在意識は昨日とまったく同じ今日を望み、最大の快楽を得ようとしています。依存症もこの潜在意識に組み込まれています。甘いもの・美味しい食事・塩と味の素のきいた食事を求めるのも、食べた結果、ドーパミンが大量に放出され、快楽が得られるために、やめられないのです。次回はこのドーパミンについて考えます。