特集です。
こちらの注射器型の薬、糖尿病を治療するマンジャロと言われる薬です。
マンジャロは、自ら皮下脂肪に針を刺して使用する液体状の薬で、主に2型糖尿病患者のインスリン分泌の促進や、食欲を抑えるなどの効果があります。
今、このマンジャロを健康な人が使って痩せるダイエット法が若い世代を中心に広がりを見せています。
しかし、専門の医師は「副作用などリスクが高い」と警鐘を鳴らします。
「1カ月で10キロ痩せた!」「とりあえずマンジャロぶちこみ!」「2カ月で13キロ痩せた!」「打つだけで痩せる」と、若い世代を中心に美容薬として広まるマンジャロ。
このダイエット法の流行に街の人は。
(街の人)
「マンジャロ」
「注射打つやつ聞いたことあります」
「病院行って簡単に痩せるみたいな」
「マンジャロを打ってる人を聞いたことがある。楽に痩せるのが一番ありがたい」
都市部だけではなく、宮崎県内でもマンジャロダイエットの認知度は高まっていました。
しかし、糖尿病の専門医は、この状況に危機感を抱いています。
(宮崎大学医学部附属病院 上野浩晶医師)
「2型糖尿病を治療する薬として使われていて、インスリンの分泌を促進したり胃腸の動きをゆっくりして腹持ちを良くしたり食欲を抑えたり色んな作用を持つお薬」
「2型糖尿病の人に処方してすごく体重が減る人もいるので、そこを見て「痩せ薬」として利用しようとする動きがあるのでは」
「全く不適切」
マンジャロの使用による主な副作用は、吐き気や嘔吐、下痢、便秘などのほか、重篤な症状として急性膵炎、腸閉塞、低血糖、アナフィラキシーなども報告されています。
上野医師は、本来の治療の目的から外れたマンジャロの使用はリスクが高いと話します。
(宮崎大学医学部附属病院 上野浩晶医師)
「特に痩せる必要のない人、正常体重ややや痩せ型の人、特に若い女性などが、もっと痩せたいという目的でこれを使うと体重は減るかもしれないけど、脂肪だけではなく筋肉も骨も減ります。体力も弱るしホルモンバランスもおかしくなる」
「知らずに使って危険な副作用が出て急病センターに駆け込むという人を何人も聞いています」
専門医が警戒するマンジャロダイエット。
続けて上野医師は、若者の「スリム志向」にも警鐘を鳴らします。
(宮崎大学医学部附属病院 上野浩晶医師)
「ただ標準体重の人やそれよりやや低い人、なんの病気もない人が異常に痩せるのは、むしろ長い目で見ると寿命を縮めます」
「標準体重の人が一番長生きするデータは出ています」
「こういう薬を使ってでも痩せるのはやめた方が良いと思う」
さらにSNS上ではこんな声も…
「体重計久々に乗ったらリバウンドしてた」
「直ぐリバウンドする」
(宮崎大学医学部附属病院 上野浩晶医師)
「マンジャロを使っている間は体重はじわじわ減るが、やめるとリバウンドします。必ずします」
マンジャロの美容・ダイエット目的の使用は、保険は適応されません。
取材によると、クリニックによって異なりますが保険適用外の処方の際は1本5000円程度と高額で、使用をやめるとリバウンドする可能性が高いとのことです。
さらに、重篤な副作用も報告されています。
マンジャロの使用は必ず専門の医師と相談し、必要がないと診断されたら安易に手を出さないようにしましょう。