糖尿病も障害年金の対象です。認定される道は2つ——インスリン治療をしてもなお血糖コントロールが困難な「糖尿病そのもの」と、人工透析・網膜症・壊疽・神経障害の「合併症」。障害認定基準 第15節「代謝疾患による障害」の原文にそって、対象になる状態・等級・いくらもらえるか・申請の流れを整理します。
■ この動画でわかること
・障害認定基準 第15節「代謝疾患による障害」=中身はほぼ糖尿病の基準。原文も「多くは糖尿病合併症に対する認定である」
・①糖尿病そのもので3級になる要件——インスリン治療90日以上の確認+ア/イ/ウのいずれか+一般状態区分表の「ウ」または「イ」
・ア=血清Cペプチド値0.3ng/mL未満/イ=重症低血糖が平均月1回以上/ウ=ケトアシドーシス・高血糖高浸透圧症候群による入院が年1回以上
・認定基準にHbA1cの数値基準はありません。「その原因のいかんを問わず」=1型・2型を問わず要件を満たせば対象
・②合併症は振り分け先が違う——腎症は第12節、網膜症は第1節 眼、壊疽は第7節 肢体、神経障害は第9節の基準で認定
・人工透析療法施行中のものは原則2級。認定の時期は透析を初めて受けた日から起算して3か月を経過した日
・初診日は「糖尿病で最初にかかった日」にさかのぼる(相当因果関係)。年金の種類も保険料納付要件もそこで決まる
■ 注意
・令和8年度の年金額は1級 年1,059,125円、2級 年847,300円、障害厚生年金3級は最低保障 年635,500円。金額と等級は人によって変わります
・認定基準の等級表記は例示であり、機械的に決まるものではありません。個別の認定は診断書等をもとに総合的に判断されるため、迷ったら年金事務所・主治医へ
・診断書は「腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用」(様式第120号の6-(2))。網膜症は眼、壊疽は肢体など、請求する障害に合う様式を使います
・制度・基準は改定されます。最新は日本年金機構・厚生労働省の原文(国民年金・厚生年金保険 障害認定基準、様式、案内)で必ずご確認ください
■ 出典
・国民年金・厚生年金保険「障害認定基準」(令和4年4月1日改正)第15節「代謝疾患による障害」認定要領(1)(2)(3)(5)/3級の要件は平成28年6月1日改正による
・同 第15節 認定要領(4)一般状態区分表/同(6)(7)(8)(9)(眼・肢体・神経系統・腎疾患への振り分け)
・同 第12節「腎疾患による障害」認定要領(7)ア・イ(人工透析療法施行中のものは2級と認定する/認定する時期)
・同 第1「一般的事項」2 傷病(2)(相当因果関係=「起因する疾病」の定義。初診日がさかのぼる根拠)
・日本年金機構「令和8年度の年金額改定について」/「障害年金ガイド 令和8年度版」(1級・2級の年額、障害厚生年金3級の最低保障額)
・日本年金機構「腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害用の診断書を提出するとき」/かけはし別冊「障害年金講座<基本事項>」(受診状況等証明書と参考資料)
※ 糖尿病そのものの認定は3級が中心=障害厚生年金だけの等級です(障害基礎年金に3級はありません)。初診日が国民年金の方は、合併症の状態が焦点になります。認定基準には「症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する」とあり、3級で頭打ちではありません。昔のカルテが残っていないときは「受診状況等証明書が添付できない申立書」に、お薬手帳・糖尿病手帳・領収書・診察券・健康診断の記録などを添えて申し立てます。審査中に「糖尿病の請求にかかるご照会(医師照会様式)」で、低血糖への対処・家族の介助・就労状況が主治医に確認されることがあります。3級は「労働が制限を受ける」程度が想定で、就労だけで一律に不支給になるわけではありません。障害者手帳とは別制度で、手帳がなくても請求でき、等級も連動しません。
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