糖尿病の中には、遺伝子の変異が原因となる「ミトコンドリア糖尿病」という比較的まれなタイプがあります。
私自身、医師になってから遭遇したのは1〜2回程度です。
ミトコンドリアは、いわば「細胞のエネルギー工場」。
遺伝子の変異によってミトコンドリアがうまく働かなくなると、細胞で十分なエネルギーを作れなくなります。
すると膵臓のβ細胞が血糖値の上昇をうまく感知・応答できなくなり、
ミトコンドリア機能低下↓β細胞の機能低下↓インスリン分泌低下↓血糖値上昇・糖尿病
につながることがあります。
ミトコンドリアDNAは基本的に母親から受け継がれるため、「母系遺伝」が大きな特徴です。
こんな特徴がある場合は要チェックです。
✓ 若くして糖尿病を発症✓ 痩せ型なのに糖尿病✓ インスリン分泌が少ない✓ 母親や母方の家系に糖尿病が多い✓ 難聴がある✓ 脳卒中に似た神経症状を伴うことがある
特に「糖尿病+難聴+母系の家族歴」は、ミトコンドリア糖尿病を疑う重要な手がかりです。
糖尿病=すべて生活習慣が原因、ではありません。
糖尿病を診るときには、一度は「特殊なタイプの糖尿病が隠れていないか?」という視点を持つことも大切です。
気になる特徴がある方は、糖尿病専門医へご相談ください。
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